都心の中の自然環境 ~冬~
本園は中央区の中心に位置する「都心の中の幼稚園」です。その中にも創意工された自然環境が数多くあり、自然の息づかいが聞こえてきます。本施設ならではの自然環境を季節毎にご紹介します。
保育室前スペース
秋植えの野菜がすくすくと育っています。ニンジン、さやエンドウ、ほうれん草や芽キャベツなどなど、子どもたちからすると、オールシーズンで栽培、収穫の機会に恵まれます。
イチゴも育てました。気温等に応じて、ビニルハウス状態の環境を作るなどしながら、大切に育てました。
収穫した野菜です。味噌汁や炒め物等々、いろいろな形で調理して会食を楽しんでいます。
時には、野菜の量が多く台所のシンクいっぱいになることもあります。
寒い日に、子どもたちが氷作りの実験をしているところです。凍りそうな容器を探してきたり、水の中に自然物を入れた状態にしてみたりしながらセッティングし、翌日を楽しみに待ちます。
見事な氷ができました! 実験は大成功です。
屋上ビオトープスペース
かなりグロテスクな状態の羽根と肉片が・・・!
これは、ハトの羽根です。
ハヤブサがハトを襲い、人気のないこの場所をキッチンにし、解体した跡なのだそうです。
何と何と!屋上は、「ハヤブサキッチン」にもなっていたのです。
テレビでもお馴染みの「プロ・ナチュラリスト」佐々木洋先生をお招きしての自然観察会での様子です。子どもたちからは、多様な質問が続出の時間でした。
佐々木先生、ありがとうございました。
年長組さんが、とっておきの「お宝」を作り、ビオトープスペースの中にそれぞれを隠して宝探しゲームを楽しんでいるところです。
「お宝」は、金貨のようなイメージのものから、徐々に自然物に近い内容のものに変化していきました。自分たちで十分に楽しんだ後は、年少さんと一緒に宝探しゲームを楽しみました。
ビオトープには「クチナシ」(常葉樹)があります。果実は熟しても裂開しないため、「口がない実」であることからネーミングされたという説があります。
実は、染色料として使われるほど、色がよくでます。
早速、クレヨン代わりに絵を描き始めました。
冬の寒い日には、ビオトープの池の水も凍ります。
屋上へ行き、水が凍っている様子を確かめに行きました。
暖冬の年が増えていることもあり、1シーズンに1回あるかないか、ということも。
そのような寒い中でも、メダカさんたちは元気に泳いでいました!
校庭周囲スペース
残念ですが、長年親しまれていた藤が、この度の校園舎改修工事に伴い、撤去されることになりました。
フェンスには多くのバラが伝っており、シーズンになるととてもきれいな花を咲かせてくれます。赤い実は、バラの実です。見るからにきれいな色ですね。
もちろん、きれいな色がでます。染料にも使われます。
ビワの木です。幼稚園ゾーンの近くにあるため、身近樹木でもあります。
どうしてもおいしそうな実をつけるところに意識が向きがちですが、この時期は香りの良い五弁の花が群がり咲きます。
モモの種が落ちていました。
独特の大きさや形、模様であることがよく分かりますね。
種そのものには、微量の毒性が含まれているため、決して種を食べることのないようにしてください。
桃栗三年柿八年と言われるように、植えてから食するまでに時間のかかる植物です。
モクレンの冬芽です。
毛皮のコートに包まれているように見えます。
ゆっくりゆっくりと膨らんで、春にはきれいな花を咲かせてくれるでしょう。
植栽の隙間に自生していた、「ウラジロチチコグサ」です。
外来種で、関東から九州にかけて分布されており、繁殖力が強い雑草です。
葉の裏(ウラ)が白い(ジロ)父子草(チチコグサ)です。
チチコグサは、在来種です。
因みに、母子草(ハハコグサ)は、「ゴギョウ」という名でも知られており、春の七草の1つです。チチコグサとハハコグサは、見た目や好む環境も似ており、入り混じって育っていることもあるため、なかなか見分けるのが難しいです。
これも、植栽の周りで育っている、「アジュガ」です。
アジュガは非常に種類も多く、ガーデニングでも有名です。
こちらは、意図的に植えたもので、十二単(じゅうにひとえ)です。
紫色のきれいな花を咲かせてくれるのが、いまから楽しみですね。
椿です。12月頃~4月頃開花します。
椿と山茶花は、見た目では区別がつきにくいとされています。
見分けるポイントは、「花」です。椿は花ごと、ポトリと散り、山茶花は、一枚一枚花びらが散っていきます。
桑の葉が全て落葉しました。
冬の中でも、雑草たちはたくましく育とうとしています。
春になれば、またたくさんの桑の葉をつけて、子どもたちが育てる「お蚕さん」たちの食べ物として、おいしくごちそうをしてくれることでしょう。
春が待ち遠しいですね。