令和5年度 幼稚園経営方針 (概略)         

                                                中央区立豊海幼稚園          園長 山口 晃司

   園経営の3つのキーワード 

1 自然との関わり、異学年交流、園の環境を生かした保育の展開

2 保育の基礎・基本の徹底及び保育の発信の工夫

3 ICT機器を活用した効率的な働き方

  上記のキーワードのもと、チーム豊海幼稚園として、全スタッフで幼児の健全育成に努める。 

 

 教師・保護者・地域とともに、子どもたち一人一人の成長を支え合る幼稚園

目指す幼稚園像

   ○幼児にとって「通園が楽しい幼稚園」

  幼児が「幼稚園生活が楽しい。遊びに夢中になった。自信がついた」と思えるような豊かな経験が積み重ねられる。

  ○保護者にとって「子育ての拠り所となる幼稚園」

  我が子の成長を実感し、豊海幼稚園でよかったという安心感・信頼感がもてる。

  幼稚園・担任が保護者にとっての身近な子育て相談ができる存在

  幼稚園と家庭との役割を分担して子育てをする。

  ○教職員にとって「子どもとともに成長し続け、自分の実践に自信をもち創意工夫ができる幼稚園」

  保育実践を通して、幼児の成長を喜び、職務を遂行する。

  自ら教師として成長するために学び続ける

   私たちの職務は、次世代を育成し将来の日本社会を作っていくというような使命感と責任感をもつ。

 幼稚園経営の基本方針

  

【コロナ禍での実践経験を生かした工夫を図る】

・新型コロナウイルス感染症対策をしながらの実践や経験を生かし、安心・安全を徹底し、その時の状況に対応できるかを考えて保 

 育を展開する。同時に、事故やけがの発生を未然に防ぐこと、不必要な喧嘩や言い争いを起こさせない環境構成に努める。

  【保育の基礎基本(遊びを通した指導と1日の流れ)を徹底する】

・保育の営みは、幼児が1つ1つの活動を効率よく進めることではない。教師主導の一方的な保育の展開ではなく、1人1人の幼児が教師の援助の下で 

 主体性を発揮して活動を展開できるようにする。そのために、教師が幼児の興味関心に沿って意図をもって環境を構成する。

 *登園時の健康観察・生活指導・遊びの援助・降園前の活動等、指導の型を作る。

学級を中心とした保育展開】

・幼児にとって楽しい学級は、幼稚園生活の基盤となるものである。学級担任の指導の下、幼児一人一人の居場所ができ、情緒が安定し、自己を十分に

 発揮できるようにする。そのためには、まず、担任と信頼関係を築き、学級の幼児同士の関係を築くようにすることである。

*担任の責任で環境を構成し、学級での遊びを充実させ、明るく楽しい学級づくりをする

【教材研究の推進】

 ・幼児の遊びは、“もの、こと、ひと”とかかわることを通して、さまざまに広がっていく。そのために、教師は、つねに教材研究をする必要がある。 

  また、教材には、特性や使い方がある。

 ・言葉の獲得をしていく幼児期は、教師の言動が幼児に与える影響は大きい。幼児の行動を促す際の言葉掛け(お願いをするような言葉掛けをしな 

  い)や指示の伝え方、幼児や保護者への返答等、意識して発言をする。

     *教材の特性を理解し、正しい使い方をする。教師の言動を意識する。

【身近な自然、栽培活動を通した自然体験の充実】

 ・菜園・プランターを活用した栽培活動は、季節の変化を感じたり、様々な発見をしたりして豊かな感性や生命を大切にしようとする心を育む。

  また、砂・水・土・風・雨・植物・昆虫・様々な生き物に触れ、身近な自然事象とのかかわることは、科学的な思考の芽生え、考え方を育む。

 *教師が自然への関心を高め、幼児とともに自然に親しむ。

運動的な遊びの充実】

・運動遊び推進園として、日常的に体を動かして遊ぶ機会を意図的・計画的につくる。

・幼児期運動指針に示された1日60分以上の外遊び・36の動きを実現すべく、保育の展開、環境・場の工夫を図り、園内研究と日常保育実践をつなげていく。

 *教師が体を動かして遊ぶモデルになるとともに、意図的に環境を構成する。

【食育の充実と家庭との連携】

・健康で丈夫でたくましい体づくりはバランスのよい食習慣を身に付けることである。収穫物を食べる経験(植育)、食文化を知るなどの活動を積極的に行う。そのためには、教師自身もバランスのよい食習慣を意識する。園での幼児の姿を伝えるとともに、保護者にも体験させ、正しい食生活の育成を図る。加えて、食べ残しゼロの取組を通して、SDGsの視点も啓発する。

    *旬の野菜を味わうとともに、和食文化を伝える。

【保幼小の連携の充実】

   ①アプローチカリキュラム、保幼小接続期カリキュラム・就学前教育プログラムを活用する。

*質の高い就学前教育を実践する。

 ②併設小学校との連携の一層の充実を図る。

 ・環境に教師の意図を込めて、遊びを通した総合的な指導を行う幼稚園教育の指導方法を小学校教員に公開し、なめらかな接続を図る。

・3歳(年少組)から12歳(6年生)の幼児・児童が同じ敷地で生活する環境を生かし、互恵的な交流・連携を進める。

    *教育方法の違いや教育内容の相互理解を図り、質の高い教育を実践する。

  【特別支援教育の推進】

   ①特別支援教育コーディネーターを中心とした、園内委員会機能を充実させる。

     ②どの幼児にも分かるように、ユニバーサルデザインの保育室環境を作る。

       ③学級担任と補佐員は情報を共有し、同じ方向性のもと指導に当たるとともに、全教職員共通認識のもとかかわりをもつ。

     ④保護者、教育委員会、関係諸機関との連携を図る。

  【安全教育の推進】

①学校園危機管理マニュアル、安全教育プログラムを活用し、安全教育を推進する。

②毎月の安全指導、安全点検ともに、幼児の動線を考慮した環境つくりを行い、事故を未然に防ぐように努める。

③「自分の命は自分で守る」を幼児なりに理解させ、危険なこと、災害時の行動の仕方を発達段階に応じて指導する。

  

上記の方針は、「幼児期の終わりまでに育てたい10の姿」にも通じる事柄である。また小学校での教科学習につながることを意識して、質の高い保育実践をしていく。