とりとめもないコラム
その④
子育てのマニュアルって?
大変便利なことに、世の中は情報で溢れています。
スマホ一台があれば、それだけで欲しいと思った情報にアクセスすることができ、「手軽」に、「便利」に、そして「スピーディー」に情報を得ることができます。
私も百科事典の如くにスマホにお世話になり、その一方で悲しいかな専用の眼鏡も手放せない毎日です(涙)。
保護者の皆様は、きっと子育てに関する各種情報を得るために、活用されていることも多いかと思います。
一方、情報を得るところまでは良いとしても、それをいざ我が子にあてはめようとしたところ、どうもしっくりとこないといった感になることもあるのではないでしょうか。
あくまでも私自身の感覚的な域を出ないところではありますが、人間、特に子どもは個々により個性が大きく出ますので、結果的にマニュアルが通用しない・・・といったことも生じやすくなります。
それではどうすれば良いのでしょうか?
大切かつ一番の近道となるのが、マニュアルは十分に生かしつつ、あくまでも個々に応じた関わりを積み重ねていく、といったことになろうかと思います。
考えてみるに、マニュアル通りにいってしまえば、これほどまでに楽な話はないわけで、逆に考えればそのようになってしまうのであれば、不自然な感じもしてしまいます。
実際のところ、人と人との営みは簡単にいくものではなく、紆余曲折を経ながら紡がれていくものなのではないか、と思います。
それだけに、感じたことをストレートに表現する時期の幼児期の子育ては大変です。(本当に・・・)
ただ、自分自身、幼児期だった頃の我が子と関わったことを振り返ってみるに、確かに手が掛かる側面はありながらも、(全くもって実際には本当にいろいろとありましたよ…)それ以上に感じられる喜びも大きかったように思います。
子どもたちは、毎日精一杯生きているがために、心が右へ左へと大きく揺さぶられます。
その分、親としてはうれしいだけでなく、驚きの姿や悩みにつながるようなこともあるかも知れませんが、一つ一つお子さんとともに喜び、考え、悩みながら歩んでいくことがお子さんの成長にとって一番の近道になるように感じています。
マニュアル通りにいかないところが豊かにあるからこそ、人間の奥深さがあるように思います。
その③
銀河鉄道の父
「銀河鉄道の父」(門井慶喜 著)という作品があります。
映画化もされましたので、ご存知の方も多いかと思います。
このお話、「銀河鉄道の『夜』」ではなく、『父』であることが特徴です。
「銀河鉄道の『夜』」を書いた宮沢賢治氏の『父』、宮沢政次郎氏の視点で、息子をはじめとした家族を描いた作品です。
そこには、息子に対して厳しい父でありたいと思いつつも、実際には情の部分が強く出てしまうことで結果的に甘やかしてしまう・・・といった親心溢れる諸々の姿が描かれています。
人それぞれの感じ方はありますが、私としては、「分かります・・・その気持ち・・・!」と非常に共感する部分がありました。
我が子を思い、そのための親としての立ち振る舞いを考えることは多いと思いますし、実際には試行錯誤の連続といったところかと思います。
とは言え、その一方では、親としての理想には近づけない自分に気付いたり(少なくとも私はそうです)、時には自己嫌悪に陥ったりすることもあるかと思います。
「子育てって、理想通りにいかないんですよ・・・!!」
これが私の本音です。
子どもには、自分とは違う人格があります。
そのため、予期不能なことが次々と起こります。
理屈では分かっていても、次々と生じる理想と現実とのギャップに連日苛まれるのです。
この本を読んで、ちょっと気持ちが楽になるような気がしたのをよく覚えています。
宮沢政次郎氏、過保護で一貫性のない子育てをしている父というように映るかと思いますが、よくよく考察してみますと、我が子にこれ以上ない愛情を注いでいるからこその姿、というのも見て取れるかと思います。
世の中、子育ての正解・不正解はいろいろあるのでしょう。
只、どういう訳か、私はこの親心溢れるお父さんが大好きです。
そして、「過保護に悪い子はいない」という言葉。
これも、密かに好きな言葉です。
その②
「大きな桜の木の下で」
始業式・入園式を経て、初めての週明けとなりました。子どもも大人も、新たなスタートとなりましたので、お疲れになった部分もあったかと思います。
さて、今年は新年度に合わせるタイミングで桜が咲きました。
このところ、4月には散ってしまっていたことが多かったので、新鮮さを覚えつつ、本来はこの時期だったのかなぁ、と思うところでもありました。
偶然だったのかも知れませんが、今年は桜の木の下でランドセルを背負ったり、幼稚園等の制服を身につけたりして思い思いに記念写真を撮っている姿を多く拝見しました。
もちろん私は知り合いでも何でもありませんので、特段話し掛けるようなことはしませんでしたが、何だかその姿はとても素敵で、また微笑ましくもありで、何とも言えない幸せな気持ちにさせられました。
と同時に、ふと我に返り、このような幸せなお子さんをお預かりする立場にあることの重さを改めて感じさせられた次第でした。
幸せいっぱいのお子さんが次の満開の桜を迎える頃、今より比べものにならないくらい大きく成長しているはずです。
その姿を願いつつ、その背中を少しでも後押ししていけるよう、こちらも精一杯努めていきます。
楽しく心地よい日々ばかりではなく、山あり谷ありの一年になるかと思いますが、その分だけ子どもは大きく成長するものです。
皆様とともに歩む一年にしたいと思っていますので、お子さんのうれしいことや気になることなど、遠慮なくお声掛けください。
どうぞよろしくお願いいたします。
その①
ごあいさつ
今年は桜の花が咲いた中での始業式・入園式となりました。
お子様のご進級・ご入園、誠におめでとうございます。
子どもたちと一緒に、楽しく充実した幼稚園生活を作っていけるよう、尽力いたします。
さて、これまで通りの流れにはなりますが、日頃皆様となかなか個別にお話することが叶わないこと等を鑑みて、心に浮かんだ事柄を諸々とりとめもなく書き綴る形で、コラムをお送りいたします。
このことをきっかけに皆様と直接お話をすることができたり、日々子育てで大変な部分での力が少しでも抜けたりすることにつながればうれしく思います。
週一回のペースでお届けする予定でいますので、隙間時間にでもご覧いただければ幸いに存じます。
どうぞよろしくお願いいたします。