その②

 親しきSNSにも礼儀あり

 

 

 

 このところ、時が経つのが早くなったように感じることが増えてきました。

 それは、私が年をとったから、ということは理解しつつ、それにしても…と感じるのは、恐らくは、日々膨大な情報量が迅速に行き来する世の中になったからなのかも知れません。

 そのような時代に取り残されないようにするために、トレンドについていかなければ、と一人背伸びをする日々です。

(ふくらはぎをピクピクさせながら…)

 スマホ一つ取り上げても、もはや小型パソコン以上の状態です。

 娘や息子、また、先生たちから多くの話を聞きながら、なるほどなるほどと、勉強の日々です。

 今やスマホがなくなったら最後、途方に暮れるような生活様式になっているのが現実です。

 肌身離さずに扱うスマホ。だからこそ気をつけなければと感じるのは、人とやりとりをする際の感覚についてです。

 年度初めというタイミングも相まって、ラインやメール、各種の書き込みなど、SNSを扱う機会も多いかと思います。

 そのような際、案外出やすいのが、「情」です。

 良い方面の情ならば良いのですが、悪い方面での情も出やすくなります。

 そこに相手が直接いない分、良くも悪くも本音((さが))が出やすくなります。

 自分の心にブレーキをかけにくい状態が生まれやすくなること、また、端的な文章が中心になることから、誤解も生まれやすくなってしまいます。

 心ない書き込みが相手を深く傷つける内容については、各種報道等の通りですし、親しい相手とのやりとりでも、ちょっとしたことでボタンの掛け違いに発展してしまうこともよくあります。

 だからこそ、自分の思いを表現するその前に、「相手」に思いを馳せることを大切にしたいものです。

 内容云々についてはもちろんのこと、例えばラインを送る際の時間帯は適切なのかなど、「自分は良くても、相手にとってはたまったものではない」ことについても、発信の数と同じだけ考えることが求められているように感じます。

 言葉のボールは投げっ放しで良いものではなく、あくまでも相手と心地よいキャッチボールをするためにあるものだと思います。

 「親しき仲にも礼儀あり」という内容に加えて、「近しきSNSにも礼儀あり」を意識しなければならないと感じます。

 私自身は、本音の部分で「それにしても、全く面倒な世の中になったなぁ…」と思いつつ、「ダメダメ、今の世の中に順応しなければ…」と自問自答しながら背伸びする日々です。

 

その①

 「記念の時」

 

 

 

 待ちに待った一学期が始まりました。

 子どもたちも先生たちも、気持ちを新たにしてのスタートです。

 進級や入園は、幼稚園としては毎年の取組内容になるのですが、その年毎に子どもたちは違う訳ですので、とても新鮮で自分の心が洗われるような気持ちにさせられます。

 年長さんは、待ちに待った最高学年。前年度の年長さんから引き継いだ当番活動や年少さんへのお手伝いに意欲的に取り組みつつも自分たちの学年だけの生活を展開させているところです。 

 年中さんは、ワクワクドキドキの二階での生活。これまでは年少組だっただけに、急に背伸びをしたかのような感がしました。

 そして、年少さんは初めての集団生活です。

 年長さんの実に温かいフォローもあり、私が心配になるくらいの楽しくスムーズなスタートを切っています。

 保護者の皆様からしても、一喜一憂の日々かと思いますが、このようにお子さんと一緒になって感じたり考えたりする行為そのものが非常に尊いと改めて感じます。

 私にも既に成人した娘と息子がいますが、二人が幼稚園にいた頃の記憶は今でも鮮明に残っています。

 今になって思うに、それは、きっと大人の手を要する年齢であるがために、ともに試行錯誤(もがき苦しみ?)しながら歩んできたからこそ、だったのかも知れません。

 子どもは成長するにつれ、大人の手をどんどん離れていきます。

 今は年齢的に何かと大変なことだらけかとは思いますが、手をかけ心をかけていくことが一番できる時期とも言えます。

 今、お子さんは新生活をスタートし、目には見えにくい実に様々な思いを抱いています。お子さんからの話をたくさん聞いて、想像を巡らせて、且つ教職員とも多くの情報共有をしながら今の記念の時をお子さんと一緒に味わっていただければうれしく思います。

 

ごあいさつ

 

 

 今年は桜の花が咲いた中での始業式・入園式となりました。

 お子様のご進級・ご入園、誠におめでとうございます。

 子どもたちと一緒に、楽しく充実した幼稚園生活を作っていけるよう、尽力いたします。

 さて、昨年度からの引き続きとなりますが、日頃皆様となかなか個別にお話することが叶わないこと等を鑑みて、心に浮かんだ事柄を諸々とりとめもなく書き綴る形で、コラムをお送りいたします。

 このことをきっかけに皆様と直接お話をすることができたり、日々子育てで大変な部分での力が少しでも抜けたりすることにつながればうれしく思います。

 週一回のペースでお届けする予定でいますので、隙間時間にでもご覧いただければ幸いに存じます。

 どうぞよろしくお願いいたします。