本園は中央区の中心に位置する「都心の中の幼稚園」です。その中にも創意工された自然環境が数多くあり、自然の息づかいが聞こえてきます。本施設ならではの自然環境を季節毎にご紹介します。

保育室前スペース

  遊びに自由に使える雑草園プランター(築地の方々よりいただいた水産物などの業務用発砲スチロールに色を塗った手作りのものです)にたくさんの雑草が生えてきました。様々な種類のものがあり、色水遊びや昆虫を呼び込む環境としても活用されています。 

 

 

 

 地植えの花壇にも雑草が生えるようにしてみました。「ネコジャラシ」や「カタバミ」が生えて、にぎやかになってきました。「カタバミ」には、「シジミチョウ」が来ます。

 

   

 

 

 

 

 

  するとそこに、「イチモンジセセリ」がいました。茶色いので、ガに見えますが、チョウの仲間です。大きな目が特徴です。

 ふたのある入れ物に入れ、いきなりふたを外すとロケットのように凄いスピードで飛んでいきます。別名「ロケットチョウ」です。

 

 

 ネコジャラシのようなイネ科の植物には、「ショウリョウバッタ」や「オンブバッタ」などがよくつきます。

 

 

 

 

  こちらもイネ科の植物「ヒメシバ」です。「ネコジャラシ」と一緒に生えていることが多い草です。

 

 

 

 

   

 地植えができる花壇で、「ジャガイモ」の収穫です!陽当たりなどの条件にも恵まれ、例年相当数の収穫があります。掘った「ジャガイモ」は、カレーやジャーマンポテトなど、夏野菜料理の大切な一品として食しています。

 

 

 じゃがいも堀りをした後の土からは、「スベリヒユ」が自生してきました。堅そうに見える葉ですが、食用でき、「オクラ」のようなネバネバとした食感があるのが特徴です。

 きれいな花が咲くと良いですね。

 

 

 

  「アオモンイトトンボ」が飛んでいました。おしりの部分にある蛍光色の青い「紋」が特徴的ですね。

 

 

 

 

 

  2色の「シソ」です。オンブバッタなどがやってきます。赤いシソでは見つけやすいですが、緑色のシソの方ではまるで忍者のように隠れているはずですので、見つけるのは困難かも知れません。

 

 

 

 

  「ヨウシュヤマゴボウ」という草です。小さなブドウのような実をすりつぶすと、赤紫色の液がたくさんでてくるため、色水遊びをしたくなる草ですが、毒があるため、活用はしていません。生命力がとても強く、一度根づくとなかなか抜くことができませんので、注意が必要です。

 

 

 

 

  

 「シオカラトンボ」の「メス」です。「シオカラトンボ」と言えば、通常きれいな薄水色をイメージしますが、この茶色がメスの特徴です。(続きは、屋上ビオトープの項目にて)

 

 

 

 

 仰天!子どもたちが育ててきた「小玉スイカ」が「クマネ◯ミ」もしくは「ド◯ネ◯ミ」によって、きれいに食べられていました。赤い実の部分が一切残っていません・・・!

 

 

 

 

 

  「カヤクツグサ」が自生していました。茎が三角なのが特徴です。

 

 

 

 

 

 夏らしく大きく育った野菜や花、雑草たちです。

 

 

 

 

 

屋上ビオトープスペース

  こちらが一般的によく見られる「シオカラトンボ」のオスです。

 このように、水辺を飛んでいるのがオスで水色、園庭部分の水辺から離れていたところを飛んでいたのがメス、ということになります。オスが水辺の縄張りを監視しているようなイメージがわいてきますね。

 

 

 

  小さな小さなコオロギが、水の中で泳いでいました。上手に移動するのでしょうね。

 8月下旬には、虫たちの鳴き声がよく聞こえていました。

 

 

 

 

 

 ビオトープでは、子どもたちが多様な経験をしています。写真は、自分だけの「不思議発見!」をし、印象に残ったものをスケッチしている様子です。

 

 

 

 

  可愛らしい、赤いキノコが生えていました。健気な様子が伝わってきます。

 

 

 

 

 

 大きく大きくススキが育っています。秋になった時の風景が今から楽しみですね。

 

 

 

 

 

  ビオトープに住んでいる「モツゴ」です。小さく、可愛い魚です。動きが素早いため、なかなか見ることができません。

 

 

 

 

  「タガメ」も生息していました!屋上にありながらも、まるで陸上にある池のような多様性を感じます。

 

 

 

 

  「ヒメクグ」という在来種の草です。茎が三角であることが特徴で、桃のような甘い臭いがします。

 

 

 

 

 

 「ムラサキシキブ」(手前:白っぽいもの)と「ミツハギ」(奥:赤紫色のもの)が咲いていました。濃淡のあるグラデーションがとてもきれいですね。

 

 

 

 

 「ハナムグリ」です。カナブンが小さくなったような形です。花の受粉に大きくかかわっている虫のひとつでもあります。

 

 

 

 

 

校庭周囲スペース

 小学校校舎軒下にたくさん育っている「オシロイバナ」です。その名の通り、黒い種の中には白い粉状のものがあり、遊びや生活の中でたくさん集めて活用しています。

 因みに、夜暗くなってから花が開きますので、子どもたちは幼稚園でその花が開いている様子を見たことはありません。この花ならではのミステリー的要素も感じられますね。

 

 

 

  サクラの木に樹液がついています。とても固いため、ドライバーなどを使わなければなかなか取ることができません。子どもたちには大人気で、すり鉢・すりこぎでつぶしながら「樹液ジュース」を作ったり、カナブンが食べてくれないかと試してみたりしていました。

 固い樹液がつくケースは、年数を重ねた木であることが多いです。

 

 同じくサクラの木の幹に、アリが上へ上へと上っていました。なぜなのでしょうか?

 理由はサクラの葉にある蜜を求めていることでした。

 葉の下部に小さな丸い点がついています。これが「蜜腺」と呼ばれるものです。

 何気ない虫の行動も、理由がしっかりとあるのですね。

 

 何と!木の根付近にネズミの巣がありました。土を上手に使っていました。都心の中でたくましく生息する様子が伺えました。

 (巣については、この後、業者さんにより適切に対応されました)

 

 

 

  これは何?ひょうたん?それとも何かの実?・・・

 いえいえ、違います。これはスズメバチの巣の初期の段階のものです。皆の観察眼が養われているからこそ、すぐに発見し、処理することができました。

 

 

 

 

 

 桑の木です。葉っぱの形が特徴的です。

 地図の学習の際、桑畑の記号は有名でしたが、この地域ではなかなか見ることができません。この夏に新たに移植したものもあります。生命力がとても強く、どんどん伸びていきます。

 蚕の餌としても有名ですね。

 

 

  メダカやエビなどがいる池ですが、園舎前スペースを飛んでいた「アオモンイトトンボ」はこの場所で産卵・羽化しています。

 

 

 

 

  小学校体育館の壁です。実は、「ヤモリ」が大好きな環境です。

 夜になると、この白い壁にヤモリがいる可能性大です。